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売り手市場到来!? 2007年問題で高まる中小企業のインターネットを活用したCSR・採用活動・IR活動への需要

最新号の「PRIR」の特集は、「もっと信頼されるために。CSRコミュニケーション」というものであった。

冒頭のIRのコーナーでは、9月14日に東証マザーズへ上場を果たしたミクシィの記事が出ていた。このニュースで沸いたのは、同業他社や株式市場関係者だけではなく、500万人を超える「mixi」会員の一部もそうだったろう。また同時に「CGM(Consumer Generated Media)」という用語が再び脚光を浴び、世に広まったきっかけとなったニュースだったかもしれない。ミクシィ上場前から他の大手ポータル、Yahoo!や楽天、その他多くの大手企業がSNSに参入した。今のインターネットユーザーのITリテラシーをもってすればSNSがビジネスになるという証明がなされたわけだし、下期突入でソフトバンクがボーダフォンに代わって携帯3大キャリアに君臨するように、消費者のニーズの多様化が叫ばれる昨今の市場でユーザーの囲い込みを狙いたい大手各社にとっては、いろんな意味で参入せざるを得ない市場であったのかと想像する。

そんな中、時代はついに2007年問題で団塊世代の多くが引退する時期を控え、景気回復・売り手市場到来と言われる昨今の市場において、最初の採用活動の時期を迎えた。求人媒体を運営する企業も、求人サイトのリニューアルや上位コースのリリースなど受け入れ体制づくりに忙しい上半期となっただろう。「欲しいときに限って集まらない」のが"人財"だと思う。困ったところにビジネスは生まれるから、求人媒体を運営する企業や代理店にとっては競争が激しくなることを想定していることと思う。

cf.「2007年問題」について言及した。
「日本の借金時計」、日本の世界競争力と中小企業の格付けサービス。

企業サイドとしては、この時期をどのように捉えているだろうか。大手企業などはもちろんとっくに動いているのだろうが、中小企業はこれからというのが本当のところではないかと考えている。流行の落ち方と同じで、ビジネス上の動向もある種のヒエラルキーがあって、一部の大手企業の取り組みに遅れること数ヶ月から数年、やっと底辺の中小零細企業にそうした取り組みが認知採用されてきた歴史もある。

コーポレート・ガバナンスやコンプライアンス経営といった言葉の浸透もそのような落ち方をしただろうし、内部統制やIT統制、あるいは今回のテーマである「CSR」もそうだろうし、もしかしたら「IR活動」(または広報活動全般)なんかが中小企業から注目されてくるのではないかと想像している。

cf.「CSR」や「フィランソロピー」について言及した。
『ミュージアムが都市を再生する 経営と評価の実践』 〜日本版ソーシャル・キャピタルを育むための独立宣言〜

守りの経営を続けていた時代はむしろ営業に特化する。攻めに転じた際に必要とされるのは、やはり戦略なのではないだろうか?企業のIR活動やPR活動などは従来中小以下の企業ではあまり大きくは採り上げられてこなかったが、実は大手企業と同じくらい欲しているのが、中小企業の中でも業績を伸ばしている企業だと思う。

既存の4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)に代わり、第5のメディアであるインターネットが登場した。2007年には、テレビ・新聞に続く第3のメディアになると言われている。媒体にもよるが、原価がほぼ人件費だけで成立しているインターネット上の広告は、どうしても価格破壊を起こすが、この煽りを最も受けているのはインターネット業界ではなく、既存の4媒体であろう。特にラジオなどはインターネットラジオやポッドキャスティングなど、代替商品としてインターネットやモバイルの規格自体と競合しているので辛い筈である。もはや媒体力ではなく、環境(車載ラジオ等)に依存するしか手立てはないと思うし、その市場にインターネットが進出したら打つ手はなくなりはしないだろうか?

そんなインターネットに期待を寄せる中小企業の数は年々増えてきている実感がある。マンションのリフォームと同じように、法的縛りはないまでも企業のWebサイトにも流行がある。ただでさえ、「ビジネスブログ」「Web標準」「SEO」「検索連動型広告」といったような中小企業の興味をそそるキーワードが一般市場に席巻しているような昨今にあっては、そうした流行にさらに火をつける。そうして加速度的に成長を続けるインターネットに注目・期待したいのは、自分たちも恩恵を受けて安価なコストで最大限の利益を得たいという利用者側の立場として享受するもの以外に、サプライヤーして中小企業のニーズに応え得るサービスの質をいかに上げるか?という視点かと考える。

中小企業にとって一番分かりにくい、あるいは知りたいことは、本質を突き詰めると他社の成功事例を知ることと、自社の戦略立案に帰結すると思う。

マーケティングやデータマイニングといった高度な情報整理・戦略立案ができるにこしたことはないだろうが、そうしたビジネススキルやノウハウがなくても、ある程度Webサイトを用いて企業ニーズを満たすことは可能だと思っている。

今月号の「PRIR」には、いつも通り大手企業の事例を中心に書いてはいるが、転じて考えると何かヒントが隠されているようにも感じた。大手企業のやり方は中小企業の組織に当てはめてうまくゆかないことは多々ある。しかし殊"構造"だけに目を向けると、"大手企業のやり方"ではなく、"中小企業のやり方"が見えてくるような錯覚を覚えるから不思議である。

自分にもっと能力があれば、中小企業の慢性的「困った」を解決できるのに……。と、こんな心理がまた一つ頑張る気にさせてくれる、下期突入の日でありました(笑)。

at 03:27, 渋谷で働く新米広報担当者, CSR・SRI

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ポイント制で再燃するeビジネス成功事例集 〜ブログで構築するロングテール型ネットショップ繁盛の法則〜

【参考】「インターネット白書」で振り返る日本のインターネット普及の歩み(2006年6月26日)
【参考】ポイント一括管理ツールMoney Map[All About](2004年11月30日)

 ――その昔、クリック&モルタルという用語がもてはやされた時代があった。ちょうど今のYahoo!や楽天がEC(Eコマース=電子商取引)事業に投資を始めた頃の時期だったかもしれない。この"Eコマース"という言葉自体が、当時のIBMが提唱していたeビジネスに端を発するものだったかもしれないのだが。

唐突にこんな話題を持ち出したのには理由がある。日経トレンディの9月号を購入したのだが、特集の内容が「この半年で様変わり!ポイント長者への道」というものだったのである。

ポイント制――、もちろんこの流行は今に始まったことではない。
自分もよくAmazonのクーポンを利用したり、Yahoo!ショッピングや楽天市場で利用したこともあるし、出店側として利用された経験もある。

回想に浸るならば、前職で某大手広告代理店と一緒に仕事をしたことがあって、週に一度の定例MTGに出席していた頃――、もう4年以上も前になるが、ファシリテータ役の方がその広告代理店の経企のMGRを務めておられて、当時おそらく30歳くらいだったと記憶するが、当時の自分は「なんでこんなに頭がキレる人がいるんだろう……」と羨んだものであった。
某有名国立大学を出ているから?ということは当時認めたくなかった。その会社に数年もいれば、相当偉い人になって、大金持ちになるんだろうなぁと想像していた人が、1年前くらいに転職が決まったとのことで、当時のプロジェクトメンバーで転職祝いが開かれ、既に今の会社に転職していた私もその席にお誘い頂いたことがあった。その方の転職先が、なんとこうしたポイント制度を扱う会社だったのである。

主婦や学生の方であれば、"スタンプ"や、"クーポン"、"ポイント"といった、ショッピング・流通の割引サービスは利用するにこしたことがないメリットで、複数枚のポイントカードを使い分けている方も少なくないと思う。

自分の学生時代にも学部・専攻は違ったが、社会経済学的なことに興味を持ったことがあって、烏山駅前通り商店街(「えるも〜る烏山」)がおこなってきた烏山方式」というポイント制度について取材の物真似なんかもしたものであった。

たった数百円のために、あるいは少し経てばすぐ不要になるようなノベルティのためにポイントを溜める――、そんな行為に衝動が駆られるのは、何も金銭的・経済的な欲求からだけではない。溜めるという収集癖をくすぐるコレクション的要素や、お金を支払わないでサービスを享受するという満足感、または"交換"というある種のゴールを迎えた達成感のようなものを得られる不思議な自己報酬感が次の行動の原動力となるかのような自覚を味わうことに起因するものも大きい。

こうした消費行動は、すべて仕掛ける側にとっての戦略の術中にあり、客単価やリピート率を上げたりしてファンを増やしていっているのである。これだけでは飽き足らず、いわゆる「クロスセル」(クロスセリング)、オークション、ギャザリング、個数限定、タイムセール、アフィリエイト、そして今注目のドロップ・シッピング等々、既存の様々な販売手法が、現代になって"オンラインショップ"という仮想ショッピング市場への焼き直しを図られているといった格好である。

本誌では、各社どのサービスがどういった割合でポイントを算出し・払い出しをしているかはもちろんのこと、企業体力別のポイント換算率・内容、よりポイントを多く得るためのルート等、消費者にとって大変便利な情報が掲載されていながら、サービス提供側企業にとっても、提携関係など意識せざるを得ないような取材内容となっていたことに一層の興味を覚えた。

非接触ICカードが話題になってから既に数年が経つ。関東・関西で違う規格のカードが公的機関で使用されていることに対する不満も前々からのものである。またそうした不便を便利に変えるようなポイント換算を行うようなサービスも始まった。しかしそれらはほとんど、オンライン上のサービスである。

他社、とりわけ競合他社の呼び込む「潜在顧客」層を自社の想定する引合顧客に取り込むことができるチャンスなのである。少しくらいの先行投資を惜しまない会社が急増した昨今、消費者の趣味の多様化によって、競合というくくりもマーケット的には随分曖昧なものとなり、異業種間競争も起こるようになった。

そうした時代背景も踏まえつつ、たとえ年配のビジネスマンがいちいちポイントを溜めたり交換したりするのを億劫がっているような事実が浮き彫りになったとしても、まだ社会的地位を保っているかのようなポイント制度である。単純に、Amazonがリアル店舗を持ったとしよう。ネットで買ったときのポイントや、リアルで買ったときのポイントが相互間で使えるような、ワンストップソリューション的な仕組みが出来たとすれば、非常に多くの業種にまたがって脅威の的となろう。

また、既にYahoo!や楽天などではかなり以前からおこなってきた、ある種「CRM」の一環とも言える顧客抱え込み戦略――、すなわちシステム面で言えば、消費者側にはシームレスなOneID機能を、出店店舗側には販売/顧客管理システムを早々導入し、相互サービスの乗り入れも自由にさせながら、そして各社クレジットカード会社と提携しては、抱え込む潜在顧客を倍増させてきた。言ってみれば、企業アイデアが、何もなかったところに市場という有を形成したのである。

「お金は淋しがり屋。仲間が多くあるところに集まり、少ないところからは飛び立ってゆく」というように言った人がいたが、ポイントのやり取りが活性化しているような市場は、今後もきっと伸びる分野の市場だろうと想像する。

また、そこに注力する大手企業は単に取り扱い件数が増えることにだけ慢心しているわけではないだろう。ディスプレイの奥にいる潜在顧客層であるユーザに対し、効果的なプロモーションをおこなっていきたいと考えている筈だ。

そうした意味で、ネットショップや物流、販売・顧客管理系SIをはじめとするeビジネスの類、とりわけこのポイント市場、またはウェブマネー系はまだまだ伸びていきそうな感じがある。

at 23:47, 渋谷で働く新米広報担当者, ブログ・検索エンジン・SEO

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改正都市計画法施行直前、ザウス跡地に進出したIKEAの狙い

 先月4月24日、千葉県船橋市、あの「スキードーム ザウス(SSAWS)」の跡地にスウェーデンの家具メーカーイケアの国内第1号店が出店した。残念ながら私はまだ訪れたことはないが、ザウスへは施工間もない高校時代に友人たちと遊びに行ったことがあった。中学の頃、日本で初めての人口スキー場が埼玉県所沢市にできて(「狭山スキー場」)やはり遊びに行ったものだったが、それを凌駕する施設規模ということで、なけなしの1万円を軍資金に、ザウスに遊びに行った。そんなザウスも不景気のためか閉鎖を余儀なくされたのはまだ数年前のこと。閉鎖後の建物は、後日高速を走りながら見渡すと、まるでバブル期の残骸を象徴するように、薄気味悪く陽光を反射しては黒光りしながら広大な敷地に死んだ巨大生物のように横たわっているように見えた――。

 話題が脱線するが、当時はまだバブルの世相で、私の世代ではその少し前に放映された私をスキーに連れてってなどのようないわゆるトレンディドラマのモチーフにもスキーが登場したり、今のようなスキー場を閉鎖して違う産業で観光客を呼び戻そうとしなくてはならない時代ではなかった。ゲレンデでは、松任谷由実の曲や、後年になってからは広瀬香美の曲がお決まりのように繰り返し流れ、お茶の水のスポーツ用品店にデサントの新商品入荷イベントがあれば足繁く通っていたものであった。

 そんなザウス跡地を、所有していた三井不動産が売却した先が、北欧を代表する世界最大の家具販売チェーン、イケアだった。
 実はイケアの日本進出は今回で2度目だそうである。1度目は1974年だが、不振で撤退した過去を持つ。

cf.「IKEA | 沿革 - はじめに・・・

 かつて日本から撤退した外資系企業は他にもある。仏カルフールもそうだし、化粧品のセフォラ、チョコレートのノイハウス、英ブーツ、米ゲートウェイ、バーガーキングetc……、まさに私の時代においてもバブル崩壊から続くタイムリーなニュースばかりである。

 これら外資の日本進出後まもない撤退の理由に多く掲げられるのが、「マーケティング不足」である。日本の衣食住の文化は繊細で、例えばアメリカのファミリーサイズを持ち込まれて適応できる核家族や単身赴任のサラリーマンは少ない。それとは対照的によく引き合いに出されるのは、日本での成功を収めたと言われる、「LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ)」がまず挙げられるだろう。LVMHの戦略については、私も以前別のブログで採り上げたことがあった(「LOUIS VUITTON 150周年」 (雑誌『BRUTUS』より))が、そちらで紹介している関連書籍に詳しい。

 また関税の影響もあるだろう。ユニクロは日本では安価なイメージがあるが、ロンドン店では他の有名デパートで売られている服飾品の値段とほとんど変わりがないとのことである。

 とにかく外資系企業の日本進出が難しいというよりは、文化や生活習慣の異なる諸外国への企業進出は一般的に古くから難しいとされていて、私も学生時代に、父の仕事の関係で中国へ視察旅行(風水都市化で日本を好景気に!大作戦!?)と題して経費で観光に行った際は(笑)、現地に進出していた大手家電メーカーの工場を見学させてもらい、国内(中国)、海外(欧米)、日本向けの3タイプの仕様で家電を生産しているという話を工場長から聞き、驚いたものだった。生産ラインを分けてまで日本向け仕様の商品を出荷するフローがあるということは、もちろん電圧等の細かい仕様の違いはあれど、それだけ日本の市場ニーズが繊細なのだということを想像させた。また、省ごとに違う法律や言語、水道・下水の関係など、中国進出には大変な労力を割いたという。

 先述の多くの外資系企業が日本から撤退することになった反面で、イケアは2度目の日本進出を決めてからというもの、緻密な地域マーケティングを続けてきたという。

cf.『「数百軒の日本の住宅を訪問し、住人にインタビューを繰り返して、日本人が望む部屋を探ってきた。撮影した部屋の写真は数千枚に上る」(クルバーグ社長)』(ITpro)

 「床面積1万平方メートルを超える大規模なスーパーなどの集客施設が郊外に出店するのを原則禁止する(asahi.com:朝日新聞)」という内容の、欧米と比較して大きく出遅れ、大雑把な区域区分で今まで持ちこたえてきた都市計画法を見直すことも視野にあるだろう2007年施行予定の改正都市計画法を前に、イケアにとっては失敗の許されない、まさにラストチャンスの日本進出と言えるかもしれない。

 日本における北欧ブームは古くからある。特に90年代以降の、『北欧スタイル』などの雑誌が刊行され、アルネ・ヤコブセンやアルヴァ・アールト、ハンス・ウェグナーらの名が雑誌の表紙を埋め尽くし、丸の内へのイルムス出店等の動きは単なる一過性のブームとは違った。

 ちょうど今の時期は、東京都庭園美術館でも「北欧のスタイリッシュ・デザイン フィンランドのアラビア窯」展というものをやっているようで、北欧の伝統的なデザインが昨今の日本で再評価されていることを裏付けているようでもあり、多勢に流されない個の市場を形成する今の日本の購買者層のニーズの高まりとも合致する。

 先日は、日本に進出する外資ホテル産業について触れた。

cf.『【街角考現学・第8部】 「にんげんドキュメント(NHK)」 〜能登の老舗旅館「加賀屋」100周年、東京は外資系ホテルの進出で大きく揺れている〜

 ホテルの次は家具である。ただでさえ、元気のない日本経済。日本人が日本で消費するマネーが海外へ流れていくことを考えてみても、もっと頑張って欲しいと思う日本企業である。
 また、日本の食文化、住環境が欧米化すること以上に、日本の伝統文化が目立たなくなってきていることが、日本人として少し淋しい気もする。日本の伝統産業も頑張って欲しい。

cf.「イケア(IKEA) 北欧ブームの中で見る2006年の注目株(東京インディケーター)」

at 02:00, 渋谷で働く新米広報担当者, ニュース・プレスリリース

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アイフル全店に業務停止命令 -消費者金融とコンプライアンス経営-

Yahoo!ニュース 経済トピックス アイフル

先日のニュース。約1900店舗を対象とする業務停止命令とは尋常ではないと思う。アイフルは、武富士アコムと並ぶ消費者金融大手である。どこも共通して言えるのは、とても「サラ金」の会社とは思えない爽やかなイメージのCMを打っていたことである。このCMについては今さらの話題ではなく、かなり昔から企業の実態とは相反するものではないのかということが言われており、ついこの程もCM自粛強化の動きがあったばかり。民放キー局各社はCMの扱いを取り下げ、インターネット上からもそれまでは多く見られたバナー広告が一斉に消えたようである。ある種大きなスポンサーを失ったことにもなる。

cf.「大手5社がCM自粛強化 消費者金融、4月から

もちろんその少し前も含め、以前から債権の回収方法については指摘されてきていたが、今回の業務停止命令は思い切った措置であった。また記事にも出ていたが、全店舗の業務停止命令という法的措置が大手の賃貸業者に及んだのは、旧日栄(現ロプロ旧商工ファンド(現SFCGに次ぐものとしているが、規模はアイフルの方が大きく、今後も債務者との法的手続きが長く続くものと思われる。

どのくらい話題になっているのか、早速Yahoo!で「アイフル」と入れて調べてみると、関連検索ワードには「アイフル cm, 利息制限法 アイフル, アイフル 株価, アイフル 業務停止, アイフル チワワ, アイフル 被害者, アイフル 被害, アイフル 営業停止, アイフル ニュース, アイフル 取立て」などの文字が並び、ブログ検索をしてみると業務停止命令のニュースがネット上に掲載された14日以降、突如として話題に挙げられるようになった。

特に「利息制限法」については、今回の事件で広く周知されることになると思う。今回はアイフルが晒されたが、同業他社の貸付金利の正当性や取立ての実態を含め、コンプライアンス経営を示したわけではないと思う。私が以前勤めていた営業会社には、元各社消費者金融出身の人もいていろいろ話を聞くことは出来た。

また、毎年高額納税者ランキングで上位を占める人は決まって消費者金融会社社長であったりする。アイフルのホームページを見ると、社名の由来は「愛情」(Affection)、「努力」(Improvement)、「信頼」(Faithfulness)、「結束」(Unity)、「活気」(Liveliness)の頭文字をとって命名されたとある。被害を受けた人がこれを聞いて快く思うとは到底思えない。

会見でアイフルの福田吉孝社長は「成果主義を求め過ぎた」(cf.「目標成果賃金制」)と述べたが、この成果主義が債務に絡む多くの多重債務者やホームレス、自殺者、果ては放火殺人犯などをも生み出してきたのだとすれば立派な社会問題だと思うし、取立ての方法を指摘されているのに「成果主義」を引き合いに出されるのは、他の成果主義導入企業からすれば迷惑な気もしなくもないだろう。

しかし、(特に消費者金融で)お金を借りる人というのは、全てがそうでないにしても基本的には今の今お金に困って借りるわけで、当たり前だが元々お金を持っている人に比べて返すための労力は相当なものだと想像する。だから一発逆転的なギャンブルや、還元の見込み薄な投資に踏み切ったりする人が多く、これが一層悪いスパイラルを招くことに繋がっているのだとも思う。自分が縁がないだけなのかもしれないが、消費者金融の存在意義について矛盾があるように感じて止まないのはこうした理由からである。

昨今の様々な事件の中で、特に経済に絡むニュースに多い「コンプライアンス経営」「企業統治(コーポレート・ガバナンス)」という言葉が、今回の事件でなおも注目されることになった。今後、法的規制も厳しくなるかもしれないし、同業他社や関連する事業形態への影響も必至だと思われる。低下する企業イメージを穴埋めするのは、社名変更か、はたまた一層還元率の高い成果主義か――。

at 01:06, 渋谷で働く新米広報担当者, CSR・SRI

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人口減時代にあるべき広告の表現手法 〜『日経ビジネス 特集 CMを超える 心を「刺す」マーケティング』〜

最新号の日経ビジネスの特集はCMを超える 心を「刺す」マーケティングであった。USENによるライブドア支援や、ソフトバンクによるボーダフォン日本法人買収、耐震偽装マンションなど、旬のネタも織り込まれ、読み甲斐のある内容であった。

小特集の「王者 電通の苦悩」は、以前にも採り上げたインターネット普及による市場の変動(cf.「出版界の"2007年問題" 〜2007年、インターネット広告費が雑誌広告を追い抜く!?〜)をも視覚化したようなグラフや数値が出され、誌面の言葉を借りれば「マス離れ」の加速を体感させるようでもある。既にお隣中国では、インターネット広告が雑誌広告の取扱高を抜いたようである。

cf.「ネット広告77%増、雑誌超え「第4のメディア」に」(中国情報局)

ジャン・ヌーベル氏による電通の新社屋の入る電通本社ビルが汐留シオサイトに建ってはや4年(cf.「カレッタ汐留(caretta SHIODOME) -東京インディケーター」)。施工当時はその圧倒的な迫力に驚いたものであった。

今でも広告界の「王者」であることには変わりないのだが、誌面の内容からすると、昨今の急激な消費者動向の変化に、民法に依った部分の戦略だけでは通用しない部分も出てきたことなどが書かれている。そして、メディアの種類が増えたことや、テレビ離れ、昨今普及の加速するDVDレコーダによるCMの飛ばし見等々により、あるいはビデオリサーチ社の従来の視聴率調査の手法に対しても、そうした複合的な因子から莫大な予算を必要とするテレビ広告に出稿を考える広告主が増えてきていることなどが書かれていた。

また、先月号の『宣伝会議』に目を通してみても、「インターネットのメディア価値はなぜ高まったか」(P50)といった記事などが組まれ、ブログやSNSの普及も併せて一般消費者だけでなく、広告業界からの関心も高まってきていることがうかがえる。

電通は今年2月、統計資料として「日本の広告費 2005年」を出したばかりで、その中の「媒体別広告費の移り変わり(1985年〜2005年)」では、基本の四媒体の他、SP広告や衛星メディア広告、インターネット広告の伸びを折れ線グラフで示している。そのグラフを見るに、インターネット広告の広告費が伸び始めたのは、99年頃からでその歴史の中には、「iモード」の誕生・普及やブロードバンド元年突入、Google日本語版サービス開始(AdWordsサービス開始)、Amazon日本版サービス開始、Yahoo! JAPANによる「ビジネスエクスプレス」サービス開始、オーバーチュアサービス開始etc…、起因となるような様々なターニングポイントがあった。

cf.
・「ワン・トゥ・ワン・マーケティングブーム再来!? 〜次世代携帯続発、モバイルコンテンツ急増、非接触ICカード、QRコードetc……〜
・「1999年の検索エンジンの歴史 ECジャパン

その間、インターネットにおけるマーケティングは大変難しく、先のUSENによる「Gyao」のような、まさに今急成長中の媒体もあるが、OvertureやGoogleアドワーズの台頭により、少し影をひそめた感も否めない「9199.jp クイック ジェーピー」や、日本語ドメイン(cf.「日本語.jp」)、それに昨今人気急上昇中の検索連動型広告市場で言えば、例のライブドアの粉飾決算事件に絡み、かつてライブドアに買収されたジェイ・リスティング株式会社の提供するサービスから、提携企業である大手検索エンジンが次々と契約解消し、挙句の果てには契約を打ち切ったエキサイトとgooが新会社、株式会社クロスリスティングを早々に立ち上げ、元ジェイ・リスティングの提携企業を続々と囲うなど、傍目で見ていても目のくらむような速さで水面下での攻防が熱く繰り広げられていた昨今であった。

cf.「「広告費10億円、05年度売上高60億円」--検索市場に切り込むGMOの狙いとは(CNET Japan)

今では、先の「Gyao」などでも注目されているインターネット動画や、それに付随するサービス、広告など、新たな市場も登場してきている。

cf.
・「ネット動画広告、06年に30億円市場に
・「ポッドキャスト〜意外と多い自宅聴取、広告導入は容認。マイボイスコムとJストリーム調べ」(RBB NAVi)

以上のことから、今後は人口減少により「マス」の媒体価値は下がり、今まで以上にコンバージョン重視とするワン・トゥ・ワンなマーケティングが求められてくると予想される。いつの時代も大資本は強いが、こうした時流の変化の煽りをもっとも大きく受けることになるのもまた大資本の会社である。どれだけ組織が大きくなっても、小回りの利くビジネスを展開できる企業こそが、真の「王者」となる日が到来するのかもしれない。

cf.【波多野ブログ】 CMを超える?心を刺すマーケティング/WEBマーケティング

at 03:05, 渋谷で働く新米広報担当者, 宣伝広告・販売促進

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Googleの検索エンジンスパム判定にCA社も。

検索エンジンスパムと判定か? サイバーエージェント系のWebサイト、Google検索結果から削除される(SEMリサーチ)

上記ニュース、既に業界では持ち切りの話題となっていることと思う。
既にCA社を代表するメルマガスタンドであるmelma!も、確かに「メルマ」で調べても「melma」で調べても当該ドメイン下のページがSERP(Search Engine Result Page)に表示されなくなっている。

以前このブログでも、BMWとリコーの独サイト、SEO対策問題でGoogle検索から削除というニュースを採り上げたばかりのこと。

なぜこのような大手企業の、既に反響も被リンクも多いサイトがこのような表面上の被リンク稼ぎのようなことをおこなうまでに至ったのか。

Googleからペナルティ行為と見なされ、インデックスから手動ないしはある種の規則性の元に削除されたのだとすれば、今後半永久的に同一ドメインで再びGoogleに掲載されることはないだろうし、プロモーションも厳しくなるだろう。ましてや先の「melma」のように媒体価値を持ったサイトの場合、エンドユーザーやクライアントへの影響も必至であり、CA社以外にも先行してSEOを謳っていたコンサル会社などはおそらくクライアントからの猛烈な問い合わせを受けていることだろうと予測する。

なぜなら、ただでさえ昨今は「検索連動型広告」が主流となり、Yahoo!やGoogleでいかに上位表示されるか、または成功報酬型で上位表示に対する対価を収益モデルにしている企業もある風潮の中で、Googleでの上位表示はおろかサイト名で調べても表示されなくなったのでは、そうしたサイトの運営者が資本力のあまりない中小企業や個人事業主であったならばなおのこと、死活問題とも言えるからである。

また、そうした目先のこともそうだが、先のように大手企業の行為となると、このニュースについて書いている個人のブログなどを参照していただければ分かるように、少なからず企業に対する信用失墜に繋がっている部分も否めない。

cf.「特集は「コーポレート・レピュテーション」 〜『PRIR』 11月号より〜

分かりやすく言えば、「SEOに強い会社」というバリューで営業をおこなっている会社が、「実は反則行為をおこなっていたので強かった」ということを宣伝してしまっているようなもので、「悪事千里を走る」の語が示すように、それは今まで積み上げてきた実績をPRするよりも早く、悪いウワサは一気に広まってゆく。こうした信頼失墜で失う見えない損益や信頼回復にかかる時間は、下手をすると数百万円単位の額では済まないかもしれない。しかも哀しいかな、別に検索エンジンスパムは現状「犯罪」であるわけではない。それなのに受ける被害は当事者の予想をはるかに超えて甚大なのである。

百戦錬磨の広報担当者がいたとすれば、もし自社が同じような事態に陥った際、どのようにこの苦境から脱するだろうか?

at 02:04, 渋谷で働く新米広報担当者, ブログ・検索エンジン・SEO

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「見える化」を目指して 〜小さなプロジェクト・マネージメントから始めてみる〜

最新号の「日経ビジネス Associe」は、"見える化"特集であった。ついこの間は「週刊東洋経済」で、"見える化超入門"特集が組まれたばかりで、トヨタの「かんばん方式」プロジェクトマネジメント関連用語集「トヨタ生産方式とは」/ミツエーリンクス)に代表される、仕事上における仕組み化の話が、今になってこんなにも多く採り上げられるのだろう?と少し考えてみたところ、先般も日記(「日本版SOX法に備えたコンプライアンス経営とコーポレートガバナンスの強化 〜グループウェア、EIP、CMS、企業のコンテンツ管理システムの変遷〜」)の中で触れたばかりだが、昨年4月に施行された「個人情報保護法」(cf.「「個人情報保護法」施行直前!」)や、今年5月施行の「新会社法」といった50年ぶりの商法大改正といった商業界における大変革の時期の真っ只中で、JR福知山線脱線事故や、航空史上空前の事故と言われた御巣鷹山日航機墜落事故から20年の節目に相次いだ日航機のトラブルによって交通の安全が叫ばれ、「リスク管理(リスク・マネージメント)」という用語や、ライブドアによる粉飾決算等で平松新社長の発言内容にあった「コンプライアンス経営」「コーポレート・ガバナンス」等々の言葉を多く耳にするようになってきた。

――おそらく、そうした社会的背景もあるのだろう。どこの企業でも組織のあり方は違えども、そのレベルに応じた問題にぶつかり、課題をクリアしようと頑張っている。頭では分かっていても、実践するとなると難しいことはよくある。改めて「見える化」を実践している他の企業での事例を見るに、進んでいるところは進んでいるのだなぁと感心してしまった。

私たちも効率化を図るためにルーティン化しようとルールを制定し、情報を共有しては洗い出し、フローの中に置き換えることで周知を図ろうと努力するが、その度に「例外」が出現し、危うくそうしたルールも機能せずに逆に効率を悪くする原因となってしまいそうになって、まるで「例外ばかりで成り立つ業務プロセスこそがルーティンである」という逆説すら脳裏をかすめ、気が遠くなることもしばしばである。

cf.
身の丈に合った小さな改善をコツコツと」/@IT 組み込み開発
初めてのプロジェクトリーダー」/@IT 情報マネジメント > プロジェクト管理


その度ごとに、ITmedia オルタナティブ・ブログの「走れ!プロジェクトマネージャー!」や、「プロジェクトマネジメントOS本舗」などのようなサイトの中に活路はないものかと参考にしようと考えたことがあった。

しかし、理論を正確に把握していないか行動に移せていないということもあるが、概してモデル事例をそのまま現場に持ち込んだところで即適応するわけなどなく、その「新ルール」を全部一気に浸透させようとする労力だけで多くの時間を割かなくてはいけなくなるという本末転倒な結果を招きかねない。

以前、『すごい会議』ではないけれど、私の通う会社でも、会議の精度を上げようと試みられたことがあった。「会議は意志決定の場」という大前提さえ守れば、まず大きく外れることはなくなることを知った。そのほかの決まりごとは、その前提から演繹的に考えていけば、事前準備はどうすればよいか、発言する内容はどういったものにするのかなど、参加者が自然と理解できるようになったというわけである。他にもポスト・イットを使用したナレッジ・マネージメントもおこなった。

また、今になるまで、会社内でも情報共有のためのツールはいろいろと変わった。顧客データベースソフト、エクセル、オンライン上のASPサービス、フリーソフト、しかも同時期に各人が別のツールを使用していたものだから同期も取れず、誤った情報が行き交う始末。こうなることは事前に分かっていても、こうした技術的にも、経験則としても非効率を招く問題を阻止する手段を実践に至るレベルまでは皆知らないのである。しかし、今までは知らなくても良かったかもしれないが、今は知ってようが知り得なかろうが、出来なくてはならない時代となってしまった。「知らない」ではもう済まされないのである。それはちょうど未成年が成人になるのと同様、社会的責任を担うことに他ならない。

冒頭で紹介した雑誌は、そうした問題に臨む社会人全般にとって、ほんの入門に過ぎない内容なのだろうが、自戒の念も込めて何度も言うように、機能しなくては机上の理論は何の役にも立たないので、まずは理解されなくては始まらない。写真や図解を多く利用し、実在のモデルを他社の事例として紹介してあるので、そこからインスピレーションを受けるためのツールとしても活用できるかもしれない。

at 03:03, 渋谷で働く新米広報担当者, 新米広報担当者の仕事

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『日経ベンチャー(2006年3月号、元気の出る朝礼)』 特集:始業前にもう勝っている

読んだのは土曜日のことだが、日経ベンチャーの最新号が席にあったのでさらっと目を通した。

私の通う会社でも毎日簡単な朝礼がある。毎週月曜日には役職者自らがコメントを述べ、月初の朝礼では会議室に集まって先月の課題や今月の抱負や目標について発言する場が設けられている。

入社当時はまだ社員数も少なく、そうした制度はなかった。社員数が増えるにつれて、次第に良い面と悪い面が生まれてくる。せっかく人が増えるのなら、良い効果が出るだけにしたいものである。そんな折にスタートした"制度"だった。はじめはどこかぎこちない雰囲気もした朝礼だが、今では慣れもあってか、皆普通にコメントを述べるようになっている。

「大きな声で自分の意見を自分の言葉で述べる」ことができるのは、一見当たり前のことのように思うが、意外と出来ない人が多い。ましてや営業会社や販売業でそんな人ばかりが集まってしまったらとても仕事にならない。

朝礼をしているからといって、そういうことができるようになるとは限らないのかもしれないが、朝からムードが低い職場というのは、仕事をする側から見てもいまいち気合が入らない。そういう職場では気合も伝染すると思うし、そんな気分のままお客様のもとへ訪問しても、きっと良い印象を与えることは出来ないと思う。

中には慣習であるとか、業績を伸ばすためというのもあるかもしれないが、それ以上に、人としてまずしっかりした人になろうという思いがあって朝礼をおこなっている企業がほとんどではないだろうか。

本書では、「今、見直される「古き良き」制度」として、「朝礼」「掃除」「あいさつ」を挙げている。

『会社が光る―「掃除」の実学 やさしさと辛抱強さこそ』などの書籍も出されているイエローハット社長の鍵山秀三郎氏の掃除哲学や、「"1日80回"の朝礼で全世界の社員が理念を共有」と見出しにある、ザ・リッツ・カールトン・ホテルでおこなわれているという「ラインナップ」と呼ばれる精度の高い朝礼の内容は大変面白い記事となっていた。

cf.
「企業理念と「クレド」、そしてホスピタリティの精神。」
「【街角考現学・第8部】 「にんげんドキュメント(NHK)」 〜能登の老舗旅館「加賀屋」100周年、東京は外資系ホテルの進出で大きく揺れている〜」

また、私も好きなジュンク堂書店のことも出ていた。阪神・淡路大震災の被害に遭っても挫けることなく店を盛り立てた工藤恭孝社長の話も記事として面白かった(cf.『なぜ人はジュンク堂書店に集まるのか(自由国民社刊)』)。
他にも、会社でも今後導入の決まったWEB会議システムや、内部通報制度のことなどにも触れており、大変参考になった。

感慨深く読んだのは、後半の「破綻の真相」というコーナーに書かれてあった、ガソリンスタンド「月金」さんの話。

青森県にあるガソリンスタンドチェーンとのことで私は初めて知った名前だが、実は学生時代には地元のガソリンスタンドに2年ほどアルバイトで勤務していたことがあったので懐かしく感じたのであった。

記事にもあった、96年の特定石油製品輸入暫定措置法の施行を前にして私は、2年間勤めたそのガソリンスタンドを辞めた。大手石油会社の代理店として、地元を中心に10店舗くらいを構えた会社で、私の勤務先は国道沿いにあったこともあり、支店の中でも1、2位を争う成績優秀店だった。完全歩合給制を敷いていて、当時はポンピング(給油)1回が40円の換算だった。もちろんこれだけでは、1時間に20台を接客しても時給800円にしかならない。深夜などは労働基準法で定められた最低時給さえをも割る計算となる。

「「油外収入」が頼みの綱 人の魅力を打ち出す経営へ」と記事中にあった。油外収入――、そう、つまり洗車(私のところは手洗い洗車を売りとしていた)や、オイル交換、タイヤ交換、パンク修理、水抜き剤の販売等が私たちの時給に加算されるのだった。そのガソリンスタンドでの計算方法は至って簡単で、「(販売価格−原価)の半分」が自分の収入になった。結局時給というよりは、日給制だったという方が正確かもしれない。時給はあくまでも1日の収入を労働時間で割った"数値"や基準でしかなかった。

この油外収入、知っている人は知っていると思うが、ディーラーでおこなうのは別としても、どう考えても大手カー用品販売店等でおこなった方が安くおこなえる。ガソリンスタンドでおこなうとすれば、緊急時や交通の便の関係で利用するお客様しかとれない。と言いたいところだが、意外にも高いと知りつつ、わざわざガソリンスタンドで購入するお客様がいるのも事実である。

これはどういうことかと言えば、最低限の技術はもちろんだが、ガソリンスタンドで働くスタッフの笑顔やサービスを買ってくれているのである。アメリカなどではガソリンスタンドはセルフスタンドばかりの味気ない「Gas Station」だが、日本ではもっぱら「SS(Service Station)」である。私も学生時代は授業より社会勉強を優先し、ガソリンスタンドのアルバイトに精を出していた(というより、面倒で学校に行かなかっただけだがw)。出勤前のおじさんと仲良くなり、遠目でもその人が乗る車を識別できるようになり、暗黙の了解でその人の車が入ってくると私が走り寄ることになっていた。いつも上客ばかりとは限らないが、真摯な接客態度は気持ちが通じ合い、いつか信頼を得ることになるのである。長距離を走る前にはオイルやタイヤの空気圧を見てくれとか、個人名でリクエストがくることもあった。それは言わば、仕事をする上での醍醐味の一つとも言える「指名」のようなものである。

思えばそのガソリンスタンドでアルバイトを始めたばかりの頃は、バカみたいに基本の接客用語を大声で復唱させられたものであった。しかし、その後のお客様との交流を思えば、そうした行為はやっていて良かったと思えるようになる。

ところが、そんな愛着のあった地元のガソリンスタンドも、先の特石法(特定石油製品輸入暫定措置法)施行や、98年のセルフスタンド解禁、原油の値上がり等で経営悪化に追い込まれ、自分が辞めた後に何気なく看板を見ると、私がいた頃の社名とは違う社名が掲げられていた。当時、ホイールからなかなか外れないタイヤに苦労していた私を助けてくれたり、他のスタッフがスタンド内で追突事故を起こした際に持ち主と示談交渉したり、油種間違いをして数キロ先の国道で停車している車の下に潜り込んで燃料を抜いたり、給油口のキャップを閉め忘れて新車のスポーツカーの塗装がはげてしまった車の持ち主にお詫びしたりしていた所長はどこへ転職されたのだろうか?今だから言えるが、年末年始の忙しいさなか、人手不足のため私は深夜を含めて27時間以上も続けてシフトされたことがあった(仮眠有り)。その後、近くの居酒屋でおごってもらったりもしたものだった――。

価格競争で物が安く手に入り、大手資本の参入で商品やサービスが充実したりして、消費者にとっては効率的になった部分も多い昨今となっても、あの頃精一杯背伸びして頑張った仕事で学んだ精神論は、個人としては忘れたくない思い出だなと思った。

at 04:02, 渋谷で働く新米広報担当者, 広報・IR・PR

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「ウイルス・不正アクセス対策よりも社員教育を」、「欄検眼段」と「仁義なきキンタマ」について 〜Winny上で個人データ流出中〜

以前のネット上の記事に以下のようなものがあった。

「弾はまだ残っとるがよ」――2つのマルウェア発生、Winny上で個人データ流出中(2005年3月20日,ITmedia エンタープライズ)
ウイルス・不正アクセス対策よりも社員教育を、2005年情報漏洩事件の6割は「紛失/誤送信」(2006年1月12日,Japan.internet.com)
cf.「情報漏洩の事例」(三菱情報セキュリティソリューション)

――それから数ヶ月、企業や行政の姿勢はどのように変わったか?

NTT東西の顧客情報がWinny流出、業務委託先社員の自宅PCがウイルス感染(2006年2月24日)
海上自衛隊:「極秘」暗号書類などネット上に流出(2006年2月24日)
東京地裁も情報流出…私物パソコンから競売文書(2006年2月24日)
名古屋市消防局、消防士長の個人PCがWinnyウイルス感染、個人情報が流出(2006年2月24日)
京橋通郵便局:顧客情報がネットに流出 住所など378件(2006年1月31日)
<受刑者情報流出>職員分含めて計5663人分に(2006年2月22日)
筑波大病院から患者情報流出…パソコンがウイルス感染(2006年1月19日)
広島の病院、ネットにデータ流出…患者43人の実名や認知症の症状など(2006/01/27)
ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介した「暴露ウイルス」に感染したのが原因と判断。
愛媛県議のPCがWinny経由でウイルス感染、3万人分の有権者名簿等の個人情報流出(2006/01/25)
捜査資料、ネット流出=署員の私用パソコン−神奈川県警(2006/01/24)
神奈川県警厚木署の男性署員の私有パソコンから、空き巣被害者の名前など個人情報を含む捜査資料がインターネット上に流出していたことが24日、分かった。パソコンにはファイル交換ソフト「Winny」が入っており、自宅でネットに接続した際に感染し、流出したとみられる。
国保の業務委託会社から松戸市民26人分の個人情報がWinnyで流出(2006/01/21)
三井住友海上の顧客情報など590人分がWinny流出、業務委託先社員のPCから(2006/01/18)
富士通の顧客情報がWinny流出、コールセンタースタッフがウイルス感染(2006年1月13日)
「愛・地球博支援企業協議会」のメルマガ購読者798人の個人情報流出(2005年12月09日)
<空港暗証番号流出>日航乗務員のパソコンがWinnyでウイルスに感染。情報には、羽田や成田など国内16空港とグアム空港の空港制限区域に入る経路の計48の暗証番号も含まれている。(2005/12/08)
NECフィールディングの顧客情報、Winnyで流出(2005/12/07)
JR西日本、Winny使用で、ウイルス感染に伴う社員情報などの流出(2005年11月25日)
ワコール、ECサイトの顧客情報4,757名分が流出〜カード情報も含まれる(2005年11月21日)
東京医科歯科大病院、Winnyで患者50名分の検査結果を流出(2005年3月29日)



 ――以上、ファイル交換ソフト「Winny」等を使用したことが元となって個人情報の流出に繋がった昨今の事件一覧である。個人情報保護法の施行以来、こうしたニュースには利用者も敏感となっているにも関わらず、絶えるどころか発覚数が伸びている始末。Amazonや楽天市場などの大手ショッピングサイトの利用者が増える一方で、なおもこうした事件・事故は相次いでいる。

 直近のNTTの事例を見ていても、今後の対応策として、お客様情報及び社員情報の流出に関するお詫びとお知らせの中でも述べられているが、「個人情報の取り扱いに関する全社員への周知・教育を徹底し、情報管理体制を強化する」ということは、ほとんどの事例が悪意を持った人からの直接的な攻撃ではなく(もちろん悪意を持った人からの一方的な攻撃が元というのもあり、それは後述するとする)、言わば「身から出た錆」というか、情報取扱者のモラルの欠如やPCリテラシーの低さが元で起こったものであることが分かる。これを企業側がルールで取り締まるというのも大変難しいことのようにも感じる。大手企業であればある程その危険性は増し、いくら研修を多くしても、社内インフラ規制を強化しても追いつかないのが実状ではないだろうか。これは他社に対する揶揄ではなくて、明日は我が身という気持ちで社内のインフラ整備に取り掛かりたいと思う次第なのであった。あなたの個人情報は守られていますか?
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at 01:00, 渋谷で働く新米広報担当者, CSR・SRI

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日本版SOX法に備えたコンプライアンス経営とコーポレートガバナンスの強化 〜グループウェア、EIP、CMS、企業のコンテンツ管理システムの変遷〜

大仰なタイトルだが、こうした動きは中小問わず知っていて損はない話だと思った。ヒエラルキーの上から降りてくる規制というものは、少なからず幾日かすれば中小企業の元へと下ってくるのが宿命である。

個人情報保護法の施行以来、取引先から急にNDA(秘密保持契約)が送られてきて、安易に会社の印鑑を捺印してよいか困惑したり、逆に提出を迫られ、そんなフォーマットがなく、もちろん法務に詳しい担当者もおらず右往左往したり、中小企業も迷走中なのである。

昨今でも、ライブドアをはじめとした大きな粉飾決算に関わる犯罪、みずほ銀行行員による顧客預金横領事件や暴力団関係者への顧客情報漏洩事件、日経社員によるインサイダー取引事件、その他官民問わずファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じたコンフィデンシャルな情報の流出等、相も変らず組織の内部で隠れて行われていた犯罪が露見したような、ルールが制定されたことで、逆にルール無用の世の中が露呈してきた感さえする今日この頃。

巷には、また新たに日本版SOX法のような用語が氾濫し始めた。

cf.
・「日本のビジネスパーソンはビジネス IT 用語に弱い!?」(2002年2月22日、Japan.internet.com デイリーリサーチ)
・「迫り来る日本版SOX法、IT統制の準備はOK?」(2005年10月8日、@IT情報マネジメント)


私のいる会社は、そうしたモラルの欠けた人に注意するというよりは、知らずにやってしまうようなPCリテラシーの低い人に気を配ることに精一杯な組織規模である。

必然的に、かなり昔から需要のあった「ナレッジ・マネージメント」などのような業務効率化が叫ばれるようになった。

「この前メールで送ってくれたデータってどれ?」とか「最新版の売上管理表送ってよ」と言われ、送ったデータが古いものだったとか、ローカル上で検索してみたら同じファイル名のデータがそれぞれ最終更新日の違ったものだったとか、そうしたことは今でも日常茶飯事で、大手企業ではそういったことがなくていいなと羨ましく思うこともある。

そんなとき、企業のコンテンツ管理は本当に難しい!? (ITmedia エンタープライズ)」という記事に目を通した。

FileMaker」等の顧客管理データベース構築ソフトサイボウズが提供するグループウェアYahoo!Japanなどが提供していたEIP(Enterprise Information Portal)CMS(content management system)などのような次世代コンテンツ管理機能の概念etc…、こうした便利なツールが世に溢れかえって数年が経っても、そうした悩みから一向に救われない会社が他にもあることを知った。

だからこそ、今度はデータマイニング的観点から、そうした「氾濫した情報を戦略ツールにまで転換するサービス」がウケているのだろう。

cf.「販売データ集計代行サービス > 新たな関連需要を生むサービス(「経営戦略考」2006年2月13日 通巻1501号)

私たちのいる会社では、こうしたシステム面での整備をしながら、同時にスタッフのモラルやPCリテラシーの向上を図っていかなくてはならない岐路に面している。

cf.「内部統制は情報システムにどうかかわるのか?」(2006年1月6日、ITmedia エンタープライズ)

場合によっては、コストをかけて外部リソースに頼り、こうした整備を早急に整えていかなくてはならないのだ。何のためにと言えば「情けは人のためならず」ではないが、自分たちの利益のためである。今の法規制の中で言えば、正確には「利益を得るため」ではなく「損をしないため」となるのかもしれないが、避けては通れない道となっており、中小企業にとってはますます厚い壁にふさがれたような気がしてならない。

とは言え、弱気になっている暇はなく、日々の備えとして、ある面で「国の重圧からの保身」のためにも、私たちは理論武装しなくてはならない局面に面しているのである。いつか、この守りの姿勢が攻めに転じる日が来るまでは……。

at 02:00, 渋谷で働く新米広報担当者, CSR・SRI

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